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【まち活人財たからばこ】秋田桂子さんにインタビュー
- 2024/1/29
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- まち活ライター, まち活人財たからばこ
楽しみたい人よっといで 子どもも大人もわくわくしよう
我孫子市内に住む秋田桂子さんは、子どもたちに人形劇や読み聞かせをしたり、仲間と朗読劇を演じたり、音楽とお茶会のサロンを自宅で開いたりと多彩な市民活動に励んでいます。人との出会いを楽しみながら充実した日々を送る秋田さんに話を聞きました。
人形劇や読み聞かせの活動
定年まで幼稚園に勤務していた秋田さんですが、ご自身は幼稚園や保育園に通っていませんでした。ただ、幼稚園に対する憧れは小さなころから抱いていたそうです。高校を卒業後はOLとして事務の仕事をしていましたが、職場の先輩に「あなたは幼稚園の先生に向いているね」と言われたそうです。
「そうだ、私の夢は幼稚園の先生だったんだ、と思い出しました。そこからぱぁっと世界が開けた感じがして、仕事をしながら保育の夜間専門学校に通い、免許を取得しました」
人形劇や読み聞かせといった活動のもとを辿ると、幼稚園で勤務していたことが大きいと語る秋田さん。
「園ではおはなし会や劇といったことを何かしらするでしょう?だとすると、下手より上手がいいだろうと思って個人で人形劇の研修を受けたんです。そこで様々なことを学びましたし、その時の仲間と”人形劇団くさぶえ”を結成しました」
当時から50年以上経ってもくさぶえの活動は続いています。
「人形劇団 くさぶえ」は、我孫子市の湖北ふれあいサロンに10年以上参加しています。ペープサート(紙人形劇)やパネルシアター(絵を貼ったり動かしたりして表現する劇)、また秋田さんが考案したハンギングシアター(ハンガーのように絵をひっかけていく劇)などを行い世代間交流を楽しんでいます。劇中の自分たちの掛け合いなどに反応し、笑ってくれるなど、子どもたちとシニアの豊かなふれあいがとても面白いそうです。
くさぶえはもともと東京都内で活動しており、夏休みには地方公演を行う劇団でしたが、妊娠して参加できなくなってしまいました。そこで仲間たちだけで行うことになり、事前に秋田さんの自宅で見ることになりました。その際、近所の人も呼んでやってみたところ、大変好評だったのです。それが「にんぎょうげき みるひと よっといで」につながっていきました。
「にんぎょうげき みるひと よっといで」では、自宅の庭が真夏の夜の野外劇場になります。2023年8月で40回目の開催。40~50人が集まり子どもも大人も関係なく、また見る人もやる人もわいわい楽しんでいるそうです。
シニアになってからの活動
秋田さんは幼稚園教諭を退職した60歳の時、「劇団風の子国際児童演劇研究所」に第25期生として入所しました。
「稽古は平日18時から21時まで。夕方に我孫子を出て下北沢まで通ったので、帰宅は深夜。研究生仲間は10~20代の若者で、60代は自分ひとりでした」と笑いながら話す秋田さん。「今しかない」「チャレンジしてみよう!」と思ったら行動すると話します。劇団で培った精神力や仲間との関係を築いた経験が、その後の人形劇や朗読劇といった公演活動にも結びつくことになったそうです。
我孫子市内では「朗読サークル 樹々の会」を仲間と設立し、2024年で7年目、現在70代以上5名のシニアで活動しています。我孫子市各地区のふれあいサロンや、我孫子南近隣センターでの「まち協フェスティバル」に参加し、朗読を行っています。
樹々の会では琴や三味線などの演奏をバックに朗読劇を行っています。2024年2月には第5回が我孫子市民プラザホールで開催されますが、今回はホルン演奏があるそうです。そういった試みを発表の場で披露できることがとても楽しみとのこと。朗読は始めた当初から今まで変わらずずっと好きで続いているそうです。今後も新しい企画を考えていきたいと話しています。
「午後の た・か・ら・ば・こ」と名付けた自宅サロンでは、これまでに馬頭琴、ピアノ、チェロなどの演奏会を年2回、計9回開催しました。30名ほどが集まって演奏を聴き、その後はお茶会でおしゃべりをして過ごします。
名前の由来は、秋田さん自身がシニアになって、自分は「午前」ではなく「午後」の立場になったと感じたから。「たからばこ」に中黒を付けたのは、「散らばったたからもの」をわくわくしながら探していきましょう、とみんなに呼びかけたいからです。
「皆さんが生の音を間近で聞き喜んでくれることがとても嬉しいです。音色を初めて聞く方も多く、その音の素晴らしさを知って頂けるのも醍醐味の1つ」と話します。
我孫子での市内団体への参加を考えている方々に対しては、「団体活動をしている方が素敵だな、と感じればそれが出会いですから、そこから活動に結び付けていくのもよいと思います。市内には市民活動やボランティア活動の団体が色々とあるので、ぜひ活動に飛び込んでみてほしい。私自身も“あびこの景観を育てる会”や“NPO法人 ふれあい塾あびこ(2023年閉塾)”などに参加したことで世界が広がりましたから」と語っています。
秋田さん自身が「たからばこ」のようにきらきらとした魅力であふれています。そんな秋田さんと仲間たちによる、子どもにも大人にも親しみのある企画がこれからも楽しみです。
(取材・文 まち活ライター Hamatomo)