【ボランティア体験紹介】地域のつながりや家族の絆を深めた防犯パトロール

 我孫子市に在住の坂場康弘さん(12歳)は、家族で地域防犯パトロールのボランティア活動をしています。大人が活動している中に入って4歳から参加するようになりました。その活動内容や体験はどのようなものなのか、康弘さんとご家族に話を聞きました。

防犯パトロールとは

 坂場さん一家は、父の一夫さんが地域防犯連絡所というボランティア団体に所属しています。我孫子市防犯協議会の組織の1つで、定期的に地域防犯パトロールを実施しています。住み心地のよい安全で安心な街づくりに貢献し、犯罪を防ぐのが目的です。活動は地区ごとに行われ、坂場さん一家は我孫子北地区を担当しています。月に1回ほどある活動日は、我孫子駅北口に19時に集合し、並木5〜9丁目を約1時間歩きながら見回ります。行き交う人に挨拶したり、街灯切れや自転車の無灯火走行、不審者がいないかなどをチェックしたりして、気づいた場合は防犯連絡所の担当の方へ報告するのが役目です。

 我孫子北地区担当約20名のメンバーのうち、坂場さん一家のように長年活動しているのは少数で、ほとんどは自治会の担当などで1年ごとに入れ替わります。そのため、地域防犯パトロールは参加する人たち同士の交流の場にもなっており、会話しながらパトロールされているメンバーを安全に誘導しながら見回りすることも役割です。「並木は穏やかな町。今まで危険な目に遭った事はなく、以前、並木住民の方より『付近に不審者がいるのでパトロールしてほしい』との連絡で、週2日、夜10時から30分間ほどの見回りを1年間続けていたが、静かで穏やかな丁内を見回っている自身が不審者のように感じたほどでした」、と父の一夫さんは言います。

地域防犯パトロールを始めたきっかけ

 「地域の人とのつながりは楽しく、社会のために多少なりとも役立っているという自負を持って取り組んでいる。周りの人たちから『ありがとう』と言われる言葉がなによりも嬉しい。」そう語る一夫さんが地域防犯パトロールのボランティアを始めたのは、自治会役員として参加したことがきっかけで、康弘さんが参加するようになったのはそれから1年後、二階堂幼稚園の年少のときでした。一夫さんは、まだ幼かった康弘さんを自分の自転車の荷台に座らせ、手で押しながら巡回し始めました。「自転車の後ろに乗るのが楽しかった」、と話す康弘さんが、これまで行った防犯パトロールは約80回。弟の智成さんも大きくなるにつれて母の悦枝さんと少しずつ顔を出すようになり、家族4人で防犯パトロールをしてちょうど1年が経ちました。

活動を振り返って

 康弘さんが活動してきた9年間、当初は自分と同じような小さい子がいなくて驚いたそうです。「何事も楽しく取り組もう」という一夫さんの教えどおり、パトロール中は父と学校や防犯の話をしたり、弟とゲームの話をしたりしながら楽しんで取り組みました。見通しが悪い場所など地域のことを深く知る機会にもなり、自分の安全にも役立ちました。「何年やっているの?すごいね」、といろいろな方に褒められたことが嬉しく、ボランティアを長く続けられたのは周りの人の良さに恵まれたおかげです。

 一夫さんは、防犯パトロールを一緒にしてきた康弘さんについて、次のように語っています。「始めは自転車の荷台に乗っていたが自分の自転車で見回るようになり、今は一緒に歩けるようになった。その成長をそばで見られたのがとても嬉しい。このまま、健やかに育ってくれればと思っています。」

 防犯パトロールを続けて康弘さんが一番嬉しかったのは、表彰状をもらったこと。1度目は、一夫さんと一緒に星野市長から受け取りました。2度目は、今年の3月に並木小学校の校長先生から全校朝会で表彰されました。この感謝状は防犯連絡所のメンバーから長年防犯パトロールをしてきたことに対して、康弘さんには内緒で段取りされたものでした。我孫子北地区の地域防犯パトロールのメンバーの方にとって、康弘さんは和やかにしてくれる存在のようです。

今後の目標

 今春、中学校に入学した康弘さん。今後について聞くと「新しい学校生活の様子を見ながら防犯パトロールを活動する予定で、これからも家族みんなで続けたい」とのこと。新しいボランティアとして一夫さんは、パソコンが得意な康弘さんに様々な地域活動においてDX*(デジタルトランスフォーメーション)を取り入れるのを手伝ってほしいと考えています。

 もし実現できれば、活動会費等を電子マネーで決済したり、安否確認での人員の見回りが不要になったりするなど、活動される方の労力を大幅に減らすことができます。実現に向けて手伝ってくれるか康弘さんに聞いたところ、心強い返事をしてくれたそうです。これからも地域防犯パトロールで活動する坂場さんご一家と、新たな目標に向かって頑張る康弘さんの新しい門出を応援しています。

*DXとは、デジタルの技術を使って、生活をより便利なものへと変革すること。

(取材/文 まち活ライター 藤久なお)

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