まち活マガジン 2019年12月号(No.8)
- 2019/11/27
- まち活マガジン
- gente, Meg’s Kitchen, あびこのおいしい, サイエンスクラブ”これからっと”, 大澤元貴, 片岡綾, 理科のうた, 船戸の森の会
まち活マガジン 2019年12月号(No.8)
特集 : 「船戸の森の会」汗をかいて、森がきれいになる
まち活掲示板 : 「プラネタリウム記念日」
あびこのおいしいみーつけた : 「Meg’s Kitchen」
つなぐひと : 非常時にどう行動するのかを考える
CONTENTS
子どもが安心して、
一日遊べる場所を
我孫子につくりたい
我孫子駅から歩くこと15分。
密集した家々の間に
すっぽりとはまりこんだような森と出会う。
こんな街中になぜ?
我孫子のまち歩きは、この意外性がおもしろい。
市民ボランティアが整備する、市民のための森らしい。
船戸の森と名づけられた空間に足を踏み入れると、
静けさと安心感に包まれる。
汗をかいて、森がきれいになる
10年経った今でも「森をきれいにしたい」という思いは変わらない。汗をかいた分、森がきれいになり、子ども達がそだっていく。
活動10周年を迎えた船戸の森の会。発足の経緯について、代表の玉田さん、副代表の奥村さん、渡邉さんにお話を聞いた。
船戸の森はいつもきれいに整備されていますね。活動のきっかけを教えてください。
渡邉:そもそもは第四小学校の評議会の後、校長室で雑談したことから始まります。話題になったのは、体力テストの結果が年々下がっていること。今の子どもは体格がよくなったのになぜなのか?子ども達は電子ゲームをやるのが好きだし、外へ出てものびのびと遊べる場所もないから、という話になりました。その時に、前代表の七尾さんが近くに遊び場になりそうな空き地があると言うので見に行ったのですが、草ぼうぼうで男でも1人で入るのが怖くらいの荒れようでした。
それはいつのことでしたか?
渡邉:2009年の1月です。その空き地は市が管理委託されている土地だったので、3月に市役所を訪問して10年後、20年後に市民の憩う場にするためにボランティアで整備したいと相談しました。市は整備に困っていたのに、市民に任せる体制もできていなかったので要望はすぐには通らなかったんです。
どうやって活動を軌道に乗せたのですか。
渡邉:発起メンバー6人で「やろう」と話がまとまって、みんなで気持ちよく1,000円ずつお金を出し合い、それを元手に活動がスタートしました。「途中であきらめない」と決意を固めて、市に何度も足を運び、ようやく鎌を買ってもらいました。草刈り機とチェーンソーの使い方も講習してもらえるようになりました。近隣の町会・自治会にも働きかけ、賛同者も出てきたんです。ようやく7月から草刈りを始めたんですが、下から大量の粗大ごみや汚物が出てきてその始末が実に大変でした。
玉田:最初のうちは草刈りをしてもまた次に行くと生い茂っていて、まるで草と追いかけっこしているみたいでした。
渡邉:これまでに困難もたくさんあったけれど、私達も活動を続ける中で力をつけていくことができたんです。
現在の活動について教えてください。
玉田:年中行事をやって、子どもが主役になれる機会を作っています。森の環境整備として、竹が生育できる場所の確保、植物育て、掲示板の設置などをしています。
学校への協力は、第四小学校から春と秋に1年生を受け入れ、植物観察やどんぐり拾いに来てもらっています。クラブ活動の生物班には3人の講師を派遣して、学習の手助けもしています。ジャパンバードフェスティバルのボランティアや、市民のチカラまつりへの出展などにも参画しています。
現在の会員数はどのくらいですか。
玉田:6人から始まりましたが、41人になりました。我孫子の人だけでなく柏の人もいるし、女性会員もたくさんいます。
今年は10周年ということで、振り返ってみていかがですか?
玉田:これまでの経過を、『船戸の森10年間の歩み』という記念誌にまとめ、発行しました。平成26年度から30年度まで活動日数は合計で181日、年平均36.2日でした。その前の5年間の合計活動日数が76日、年平均15.2日だったので、2倍以上になりました。定例作業を月3回に増やし、特別作業として4回行った月もあります。そのおかげで、整備が進んだんだと思います。
活動の幅も広がってきていて、「美しい手賀沼を愛する市民の連合会(美手連)」が実施するグリーンデーや外来水生生物の駆除など、手賀沼の美化のための活動にも参加するようになりました。
2016年には、これまでの活動が評価さされ、「第27回緑の愛護のつどい」で国土交通大臣から感謝状を授与されました。
この10年で活動が安定し、周囲からも評価されるようになりました。
10年続いてきた秘訣はなんでしょうか。
玉田:「汗をかいて、森がきれいになるとうれしい」という単純なことじゃないでしょうか。自分のやったことの結果が目に見えるということ。
奥村:来たい人が来て、途中で帰ることもできるので参加しやすいし、会員みんなの気持ちが一致しているためだと思います。
渡邉:会員にやる気があって、活動に誇りを持っているのが継続の秘訣でしょう。森がきれいになるとうれしいし、達成感があります。
今後は活動をどのように展開していきたいと考えていますか?
玉田:10年来の懸案事項なんですが、子どもが長時間遊べるように、水場とトイレがほしいです。
渡邉:最初からの目的ですが、子どもが泥んこになって遊べる空間、子ども達だけで一日遊べる所にしたい、船戸の森で遊んでおいでと親が気持ちよく送り出してくれるような森にしたいという思いがずっとあります。そのために資金もほしいし、勉強会もしたいです。
奥村:誰もが安心して使える憩いの森を目指して、活動を続けていきたいと思います。
約2ヘクタールもある荒れ地を安心して散歩できる森にするために、会員の皆さんはどのくらいの時間や汗をここに注いできたことだろう。その原動力になっているのは、「地域の子どもを自由な遊びの中で育てたい」という思いで、10年たっても熱いまま保たれている。船戸の森の会の活動は、次世代を育むものとしてこれからも発展していくに違いない。
船戸の森の会会員 41名会費 1,000円(年) 活動内容 <定例作業> 1ヶ月に3回、金曜日と土曜日 下草の刈り取り、竹の間伐など <子ども向けのイベント> 1月 シジュウカラの巣箱かけ 7月 七夕飾り用の竹を近辺の小学校と保育園に配布 7月下旬 カブトムシ・クワガタを探そう 10月 枝拾い、手賀沼トラストの畑にてさつまいも掘り 問合・連絡先 090-3548-4925(玉田) 会員募集中! |
湖北に吹く、ハワイの新風 「Meg’s Kitchen」
副業、複業が珍しくない昨今、JR成田線湖北駅南口から徒歩約5分の場所に9ヶ月前にオープンしたレストラン「Meg’s Kitchen」も例外ではない。オーナーの根本悦子さんは、平日は店舗運営、週末は全国各地のイベントをキッチンカーで巡り、ハワイのふわふわドーナツ「マラサダ」を販売している。出店地に湖北を選んだ理由として「町の人がイキイキとしていて、アットホームな雰囲気が気に入った」と話す。
レストランでは、根本さんがかつて暮らしたハワイでアンティ(おばさん)に教わった家庭料理を作っているだけあり、食べる人への愛情にあふれたメニューが味わえる。ある日のハワイアンプレート(800円)の中身は、モチコチキン、スパムの照り焼き風味、野菜をたっぷり使ったナムルとライスで、お腹も心も満足するボリュームだ。「地元野菜などを使いながら、アメリカやハワイで食べたおいしいメニューを作って、味と雰囲気をみんなでシェアできる空間を作りたい」との言葉に共感した。
根本さんはNPO法人コクアビート(ハワイ語で“助ける”と英語で“波動が広がる”)の代表として、アメリカ、ハワイ文化の継承に関する活動もしている。現在は月に1回ハワイアンキルトを教え、店内でフラを見ながら食事をするイベントも計画中だ。週末に各地で得た人との出会いや情報を活力にレストラン運営をする。そんなスタイルが、湖北の町に新風を吹き起こす。
食べるライター 片岡綾
2017年末に流山市から我孫子市に転居。
おいしいものを探して自転車で街を駆け巡る日々の中、
我孫子の食の豊かさに開眼。「食べるために生きる」
がモットーの40代一児の母。
9月、10月の台風と大雨に自然の猛威を思い知り、コンビニやスーパーの棚が空になる現象に危機感を覚えました。日頃から備えておかなくては、と思います。
モノの備蓄だけでなく、非常時にどう行動するのかを考えておくことも備えであると専門家から聞きました。地域の方々と共催で行う防災講座に、ますます熱が入りそうです。(Yu)
まち活マガジン あびこ市民活動ステーション情報紙 No.8 2019年12月号 発行日:2019年12月1日 発行元:あびこ市民活動ステーション(指定管理者:㈱東京ドームファシリティーズ) 情報紙制作監修:『gente(ヘンテ)』編集長 大澤元貴 |
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このページは、「まち活マガジン2019年12月号」を、
ホームページ用にリメイクして載せたものです。
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