我孫子への愛と、店を守り継続していこうという気持ちで30年。

「お客様が誕生日のケーキの箱を開けた時、その瞬間が一番大事です。ケーキに何かあったら、もうそのイベント自体が台無しになってしまうからです。ひとつひとつ細心の注意を払って作っています。」そう話すのは湖北に本店のある「パティスリー メヌエット」の齋藤真理さんです。お店の歴史、洋菓子への思いなどを聞きました。

今から約30年前、湖北出身のご主人と二人でJR成田線湖北駅前に「パティスリー メヌエット」を開業しました。開店当初は思うように売り上げが伸びず苦労しました。ようやく経営が軌道に乗ってきたのは開店から7,8年経ったころでした。伝統的なフランス菓子にこだわらず、なじみのある洋菓子を取り揃え、お客様が手に取りやすくしたことがきっかけのひとつです。それは日々、どのようなお菓子が受け入れてもらえるのか研究を重ね、柔軟に改善をしていった結果だと思います。

洋菓子店の経営というのは一見華やかな世界に見えますが細かい業務が多く、クリスマスはもちろんのこと、3月の繁忙期などは目も回る忙しさです。それでも、お客様が美味しかったと笑顔で言ってくれるのが嬉しく、もっとおいしいお菓子を届けたいと、忙しい中でも講習会に参加したり、新しいお菓子を考えたりと熱が入ります。

その日々の研鑽が身を結んだのが「檸檬のバーム」です。平成29(2017)年、全国菓子大博覧会で「農林水産大臣賞」を受賞しました。バームクーヘンにかけるレモンソースに特にこだわり、とろけるようなくちどけ、それでいてしっかりとした食感を目指し試行錯誤を繰り返しました。たくさんの出品者の中から受賞したときは続けていてよかったと感動しました。今でも「檸檬のバーム」はNO.1の人気商品としてお客様に愛されています。

湖北で長く店を続けている中で、地域とのつながりも強く感じています。齋藤さんは、3人の子どもを育てながら店を続けてきました。子育ては大変でしたが、周りの人たちがみな親切で、困った時には子どもを預かってくれたり、面倒をみてくれたりしました。都会にはない、地元ならではの人と人のつながりを感じました。スタッフも長年働いてくれている地元の人が多く、信頼しています。

店を続けて行くのは大変な努力が必要ですが、お客様の子どもが成長し、大人になってまた来店してくれるなど、続けているからこその喜びがあり、やりがいにつながっています。

「湖北で店を構え、地元の人に支えられ続けてきました。あびこまち活フェスでも少しでも我孫子を盛り上げ、おいしいお菓子を提供できればと思います。当日はスコーンやクッキーなど自慢の焼き菓子をご用意してお待ちしています」と話していました。

インタビューの途中でも、スタッフのお子さんが来店し話をしていくなど、店内にはフレンドリーな雰囲気があふれていました。お菓子に対する真摯な気持ちと深い探求心、我孫子への愛と店を守り継続していこうという強い気持ちが伝わってきました。

仕事が忙しく家族行事もままならなかったそうですが、息子さんは今フランスで、同じ道を目指し修行中とのことで、しっかりご両親の背中を見ていたようです。

我孫子で生まれ育った歴史あるお店が、これからもずっと続いていくように応援したいです。

取材・文/外園 若菜(まち活ライター)

10月5日(土)アイビクオーレ1階で「第1回あびこパンまつり」が開催されます。
「パティスリー メヌエット」さんのお菓子も出品予定ですので、ぜひいらしてください。

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