定番から季節の新商品までずらり。3世代にわたって愛される 町のパン屋さん。

キーカラーの水色と格子窓の店構えが目を引く

10月5日(土)アイビクオーレ1階で「第1回あびこパンまつり」が開催されます。
出品予定の町のパン屋さん「ブンカ・ドー」さんの記事を、あびこのおしいみーつけた(まち活マガジンNo.29)からの再掲と、まち活フェス実行委員によるインタビューを掲載いたします。

定番から季節の新商品までずらり。3世代にわたって愛される 町のパン屋さん ブンカ・ドー

我孫子駅南口を出て路地に入ると、ひときわ可愛らしいお店に出合う。老若男女問わず、客足が途絶えないパン屋さん「ブンカ・ドー」だ。5 年前、我孫子に引っ越した際、私は乳幼児を抱えながら新しい土地ではじまる生活に期待と不安が入り混じっていた。その時、頼れるパン屋さんが近くにあったことはとても心強かったことを覚えている。

現社長は3代目で、初代が横浜での修業を経て我孫子に開業した。今年で創業71 年を迎える。12 年前に店舗をリニューアルし、現在のお店の雰囲気となった。店内にはあんぱんやメロンパン、根強い人気を誇るコロッケバーガーなどの定番商品をはじめ、ハード系のパンなど数十種類のパンが並ぶ。「ピークは11 時~12 時半頃。常連のお客さまは焼き上がり時間を覚えていて、その時間に来店される方も多いです」と教えてくれたのは3 代目社長の妻・雅子さん(以下コメント同)。「たくさんの種類のパンが並んでいますが、その日の分が終了したら売り切れです。1つからでも電話で予約を受け付けていますのでお気軽にどうぞ」

1番人気だというクリームぱんは、驚くほどふわふわのパンになめらかな自家製カスタードクリームがたっぷり詰まっている。「特別なことはしていません。なるべく添加物を入れず、昔ながらの製法でていねいに作り続けています」

常連客の中には親子3世代にわたって通っている人も多い。「子どもの頃から通ってくださる方が年賀状を送ってくださったり、我孫子から引っ越すタイミングでお手紙をくださったりする方もいます。そういうお手紙をいただくとやっぱりうれしいですね」。ここでは単なるパン屋さんとお客さんを超えた「つながり」という文化が育まれている。

(まち活マガジンNo.29 「あびこのおいしいみーつけた!」 まち活ライター:寺田さおり) 

3代目社長の秋山紀夫さんと妻の雅子さん

ブンカ・ドーの歴史インタビュー:秋山千代子さんに聞く

インタビューアー:山﨑真理(あびこまち活フェス・プロジェクト委員)

我孫子駅南口近くに店を出してから、今年で73年になるブンカ・ドー。駅前の商店が変わる中で、息長く営業を続け、まちのパン屋さんとして愛されてきた。長く続ける上で大切にしてきたこと、時代の変化に合わせてきた工夫について、二代目の秋山千代子さんからうかがった。

創業はいつでしょうか?

初代が我孫子に店を開いたのは、昭和26(1951)年です。舅は柏出身ですが、パン屋をやりたくて横浜で修業して、我孫子で開業しました。昭和28(1953)年には、会社組織にしました。

私は、昭和47(1972)年に結婚を機に我孫子に来ました。その頃は、舅、夫、私、職人さん2人、店員さん2人が働いていました。場所は今のところではなく、奥山商店があるあたりに店舗がありました。

結婚当初から区画整理の話はあったのですがなかなか話が進まず、平成4年か5年に今の場所に移転しました。

地域の人とのつながりで大切にしていることはなんでしょうか。

地域の方には最初から親切にしていただきました。現在ドトール・コーヒー店になっている場所に、以前は純喫茶があってパンを配達していたのですが、疲れているだろうからとやさしいマスターとママがコーヒーをご馳走してくれました。パン屋の仕事は忙しく、当時はケーキも作っていたので、朝6時から夜7時まで働いていました。夜遅くなると、近所に食事をするところもありませんでした。クリスマスの時には、徹夜でした。そんな中、忙しいだろうからとおにぎりを作って差し入れてくれる人もあり、そのおかげで乗り切れたのだと思います。皆さんの親切に対して、こちらも心を込めて対応し、お客様が定着しました。

自分達の代になった時に、こだわり続けたいと思ったことは何ですか。

接客が一番大事なので、これまでのお客様を大事にしたいと思いました。また、材料は落とさず、味を維持して、値段も抑えてと考えました。

この近くの幼稚園に通っていたお子さんが、東京から我孫子に戻って来ると買いに来てくれ、「まだブンカ・ドーがあったのね」と言われるのはうれしいことです。

地域のみなさんに助けていただき、育てていただいたという思いが強いので、この地に根差して頑張っていきたいと思ってやってきました。

当時の人気商品はなんでしたか。

その頃は大手のパン屋が出てきて、まちのパン屋は下火になっていましたが、焼き立てパンがちょうどはやり始めた頃でした。うちでは、フレッシュバターを使った焼き立てのバターロールが人気でした。デニッシュもこのあたりにはなかったので、珍しくてはやりました。お年寄りは、あんパン、クリームパンなどの定番を好みましたね。

お客様の好みに変化はありましたか。

あんパン、クリームパン、ツイストドーナツなどのドーナツ類は、定番として今でも好まれています

昔はフランスパンはあまり出なかったのですが、最近になってハード系のパンや自家製天然酵母パンなどが人気になってきました。今売れているのは、若い人にはデニッシュにフルーツをのせたものや材料にこだわって作るフレンチ・トーストですね。

今の若い人達は、好みがはっきりしています。ブンカ・ドーで好きなのはこれ、別の店で好きなのはこれと、区別して買っていくように思います。いつ来ても、自分の好きな同じパンを買っている人をよく見かけます。

その時々の好みの変化を考えていかないと、時代においていかれてしまうと思っています。

新しいパンはどうやって開発するのでしょうか。

店舗を新しくしてからは、お子さん向けのパンもやろうということを考えました。新商品は、夫が「これならいける」と考え、自分なりに工夫を加えて作るという感じです。季節ごとのメニューも考えて。都内ではやっても、我孫子では人気の出ないものもあります。地域に根差した味や感覚的なものがあると思っています。

この先も、大事にしていきたいものは何ですか。

世代交代したので、今は息子達にお任せしています。この先を考えると、時代に合わせていくこと、お客様との付き合いを大事にして、真面目にコツコツと続け努力することに行き着くのではないかと思います。この先も、「ブンカ・ドーがまだある」と言ってもらえるようでありたいですね。

定番の食パン、あんパンは昔と変わらない味としてこれからも残し、末永くみなさんに愛していただけたらと思います。

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